神奈川脳神経科医会は平成21年に神奈川医学会の分科会の1つとして発足し、主として神奈川県内の脳神経外科・脳神経内科の医師が会員となっています。初代の板東邦明先生から、丹羽義和先生、田口博基先生、玉川聡先生と引き継がれた会長の職を、令和6年4月より島が務めさせていただいております。微力ではありますが本会および神奈川県全域の地域医療の発展に尽力したいと考えております。どうぞ宜しくお願いいたします。
本会は、脳神経外科・脳神経内科の診療および周辺領域に関する諸問題の研究と情報交換を行い、日常診療の発展に資するとともに、健全な医療の普及に寄与することを目的としています。その目的を達成するために、年2回の学術集会を開催するとともに、会員相互の連携と情報交換を図ってまいりました。
学術集会では、専門の医師だけでなく多くのプライマリ・ケア医の先生方にも御参加いただけるよう、当番世話人の先生方の御努力による数多くの工夫を凝らした講演内容が盛り込まれており、参加された方々から好評をいただいております。これからも、専門家集団としての最新の医学知識を習得できる場として、また学際的かつ自由な御発表と御討議をいただける場として、魅力ある学術集会を提供してまいりたいと思います。
学術集会以外の活動として、日本脳卒中協会とその神奈川県支部・横浜市支部、神奈川内科医学会、横浜内科学会、神奈川脳卒中広域シームレス医療研究会とも緊密に連携して活動を行なってきました。令和7年より、川崎市内科医会とも連携して活動を広げております。その連携活動の一環として、一過性脳虚血発作(TIA)のトリアージ用ツールを作成し、平成28年(2016)、令和4年(2022)にそのツールを使用した臨床研究論文を報告いたしました。神奈川県の推進計画のもと、TIAの定義変更、世界のガイドラインの変更点を踏まえて、トリアージ用ツールもアップデート作業中です。
また、新しい課題として「てんかんの医療連携」が取り上げられ、ワーキンググループを立ち上げております。神経系医師のみならず、実地医家の先生方とも神奈川県の特色を生かした連携の形を模索しながら、市民が安心して過ごせるよう、また医療側も安心して活動できるよう、学術集団として正しい情報の発信・啓発にも努めていく方針です。
神経疾患は、脳血管疾患、神経変性疾患、神経免疫疾患、てんかんや頭痛などの機能性疾患、腫瘍性疾患など多種多様であり、私たち脳神経外科医・脳神経内科医は新しい知識や経験を積んでいくため、またすでに獲得した知識をアップデートさせるための努力をしています。神奈川県内の神経疾患に対応する主要施設を連携できる本会の特色を生かして、専門医、一般開業医いずれにとっても有益な情報を提供する場として、また医療連携の場として、神奈川県発の臨床研究発信の場として本会を発展させていければと考えております。
島脳神経外科整形外科医院 島 浩史
《歴代会長・会計》
平成21年9月〜24年3月
会長:板東邦秋(横浜) 会計:板東邦秋
平成24年4月〜28年3月
会長:丹羽義和(横浜) 会計:板東邦秋
平成28年4月〜令和2年3月
会長:田口博基(横浜) 会計:丹羽義和
令和2年4月~令和6年3月
会長:玉川聡(横浜) 会計:田口博基
令和6年4月~
会長:島浩史(川崎) 会計:玉川聡