【会長挨拶】

 

神奈川脳神経科医会は平成21年に神奈川医学会の分科会の1つとして発足し、主として神奈川県内の脳神経外科・脳神経内科の医師が会員となっています。会の開設にあたられた坂東邦秋先生から、丹羽義和先生、田口博基先生と引き継がれた会長の職を、令和2年より玉川が務めさせていただいております。微力ではありますが本会のますますの発展に尽力したいと考えております。


本会は、脳神経外科・脳神経内科の診療および周辺領域に関する諸問題の研究と情報交換を行い、日常診療の発展に資するとともに、健全な医療の普及に寄与することを目的としています。その目的を達成するために、年2回の学術集会を開催するとともに、会員相互の連携と情報交換を図ってまいりました。発足から約10年の歴史の中で会員数は徐々に増えており、約250名の先生方に御参加いただいております。

学術集会では、専門の医師だけでなく多くのプライマリ・ケア医の先生方にも御参加いただけるよう、当番世話人の先生方の御努力による数多くの工夫を凝らした講演内容が盛り込まれており、参加された方々から好評をいただいております。これからも、専門家集団としての最新の医学知識を習得できる場として、また学際的かつ自由な御発表と御討議をいただける場として、魅力ある学術集会を提供してまいりたいと思います。

学術集会以外の活動として、日本脳卒中協会とその神奈川県支部・横浜市支部、神奈川内科医学会、横浜内科学会、神奈川脳卒中広域シームレス医療研究会とも緊密に連携して活動を行っています。その連携活動の一環として、一過性脳虚血発作(TIA)のトリアージ用ツールを作成し、平成28年にはそのツールを使用した臨床研究を報告いたしました。神奈川県の特色を生かした連携の形を模索しながら、学術集団として正しい情報の発信・啓発にも努めていく方針です。

神経疾患は、脳血管疾患、神経変性疾患、神経免疫疾患、てんかんや頭痛などの機能性疾患、腫瘍性疾患など多種多様であり、私たち脳神経外科医・脳神経内科医にとっても、それらすべての知識や経験を積んでいくことは至難の業です。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、自施設以外の専門家との交流が著しく減少しており、若い臨床医や研究者に神経疾患の魅力を伝える機会が少なくなっています。神奈川県内の神経疾患に対応する主要施設を連携できる本会の特色を生かして、ゆくゆくは立派な専門医を育む仕組みが構築していければと思います。

ぜひ多くの先生方に御参加いただき、これからの本会の発展のため、忌憚のない御意見をお寄せいただければ幸いです。

 

たまがわクリニック  玉川 聡

《歴代会長・会計》

平成21年9月〜24年3月

 会長:坂東邦秋(横浜) 会計:坂東邦秋

平成24年4月〜28年3月

 会長:丹羽義和(横浜) 会計:坂東邦秋

平成28年4月〜令和2年3月

 会長:田口博基(横浜) 会計:丹羽義和

令和2年4月~

 会長:玉川聡(横浜)  会計:田口博基